ふるさとアイデンティティのつながり継承事業


本プロジェクトのきっかけと思い

2011年の東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い避難指示等の対象となった福島県田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村及び飯舘村(以下、「12市町村」という)の被災者の方達は故郷、自宅を離れ、他の市町村で暮らしています。

 

母子は他県で避難生活を送り、お父さんだけが地元に残って仕事をし、週末移動して家族が揃うという家庭もあります。

自身の生まれ故郷というものは、誰にとっても原点の場所であり、そこで培った家族関係や友人関係、また郷土、環境との関わりといったものが人の根っこ、アイデンティティ形成の背後に存在していると思います。

 

しかし、生まれたまち、育ったまち、暮らすまちでの大切なものとのつながりをやむなく分断されることとなった福島県に住まう私たちの、それらふるさととの関係性は複雑なものになっています。


そのふるさとの記憶の深い場所で、大切なもの達との様々なつながりを「写真」を通して可視化できないか、と考えました。そのような思いを「ふるさとアイデンティティのつながり継承事業」として平成28年度「地域経済産業活性化対策費補助金(被災12市町村における地域のつながり支援事業)」に応募したところ、幸いにも採択され活動を始めることができました。

 

この事業を通じて、ひとりひとりの中に潜む「ふるさと」との記憶を掘り起こし、子や孫といった次世代とのコミュニケーションが生まれ、ふるさとを大切にする思いの継承や郷土心を根付かせたり育むきっかけになれば幸いです。

 

そして毎年、「ふるさと写真の日」には県内外の多くの方に「ふくしまの今」を伝えうる写真展として開かれ、年輪のようにふるさとアイデンティティの記憶を刻み続けられる事業として継続したいと願っています。


どうぞ、来春に開催する写真展には是非とも足を運んでいただきご高覧いただけますよう、また併せて本プロジェクトへのご理解とご支援もお願いいたします。

平成28年度 地域経済産業活性化対策費補助金(被災12市町村における地域のつながり支援事業)採択事業

ふくしま「ふるさと写真の日」

ふるさとアイデンティティのつながり継承事業

私たちひとりひとりの心に潜む「ふるさと」という記憶の深い場所での、大切なものたちとのつながりを「写真」を通して掘り起こし、その思いを根付かせ、育み、伝えていきます。